#288 2018/1/3(水) 大山 1,252m
冬来たりなば丹沢に登る。いつもハイカーが絶えない山だが、階段続きの登山道は、陽が射せばぬかんでくる。だから人混みと階段を避けて、バリルートを登りたい。春来たりなば丹沢の山も花で彩られる。3月末、黄色いミツマタの花が咲くミツバ岳。5月、シロヤシオとミツバツツジが同時期に咲く桧洞丸。6月はサンショウバラの湯船山。何れも木に咲く花か。さて、年の初めに大山に登る。ヤビツ峠からイタツミ尾根を上れば僅か1時間余りで登頂できる。下山は日向薬師へ。
秦野駅前から神奈中の臨時バスに乗る。冷たい風が吹く駅前、バス待ちをしなくて済んだ。ヤビツ峠は大山と丹沢表尾根の登山口。今朝はかなり多くのハイカーが表尾根へ登るようだ。ヤビツ峠の標高は761m、大山山頂の標高は1,252m。距離2.3km、標高差は491mを上ればいい。イタツミ尾根の歩き始めはバス停裏の階段を上る。靴跡のついたぬかるみが、そのまま凍結した尾根道に蓑毛からの登山道が合流する。杉やウツギ林の中を上る。もう降りてくる人達がいる。
イタツミ尾根を上る 前方に大山 | 二ノ塔、三ノ塔の後方に富士山 |
汗ばんできたころ春岳山入口を過ぎる。「水源林管理径路につき関係者以外立入禁止」の立札が立つ。ここは大山への中間点。見上げればなだらかな曲線を描く大山の山頂。時折、樹間から朝日に光る相模湾が見える。丹沢の山は丸木の階段続きだが大山もまた然り。それでも長い階段を上がれば束の間の平坦になるのが嬉しい。岩稜を這い上がってクマザサを分け、木道を歩く。そう云えば後からきた何人ものハイカーに道を譲ってきた。僕はもうそんなに速く歩けない。
崩壊地。ここは丹沢表尾根や丹沢主脈を一望する絶好の見晴しの地。誰しも立ち止まってカメラを取り出す。二ノ塔と三ノ塔の奥に、遥かにに富士山。新大日、塔ノ岳。一番の高みは丹沢山、そして北端に丹沢三峰。ほどなく本坂との合流点26丁目、山頂まであと200mの地点。シカ等の蹄をもつ動物が歩くのを嫌がる、というグレーチング階段を上って青銅の鳥居を潜る。石畳が不揃いの急坂を嫌って奥社の裏側へ回る。諸戸口ルートとの合流点を通過、山頂の裏手に着く。
大山山頂 阿夫利神社の奥社 | 梅ノ木尾根 岩稜のやせ尾根 |
大山、別名雨降山は関東総鎮護の霊山。標高700mには阿夫利神社下社、標高1,252mの山頂には奥社がある。山門から前社、社務所、本社、その後ろに奥社、トイレ棟と並ぶ。山頂の東には見晴し広場がある。三峰山、その先に八王子、横浜、遥かに新宿までも見通せる。前庭に立てば相模湾に浮かぶ江の島、真鶴半島から伸びる箱根連山を遠望できる。山頂の裏手で丹沢表尾根や富士山を眺望する。冷たい強風に追い立てられて、陽の当たる電波塔の陰に逃げ込む。
日向薬師へ下山する。見晴し広場から霜融けの階段を下る。眼下に下社。山頂から雷ノ峰尾根を下って20分、不動尻分岐を左折する。丸木の階段が尽きると平坦になる。カヤトの原の先に三峰山が見え隠れする。右は屏風尾根。モノレール沿いに尾根を降りようと試みるが、急斜面過ぎて尾根下りを断念する。それでは歩き慣れた梅ノ木尾根を下ろう。矢草ノ頭から浄発願寺分岐まで道標は一切ない。随所に立札、「水源管理径路...立入禁止」 日向薬師バス停は遠い。