西御荷鉾山にしみかぼやま

253 2014/11/4(火) 西御荷鉾山1,286




神流(かんな)川  若御子(わかみこ)山  西御荷鉾(にしみかぼ)山  父不見(ててみえじ)山 


秋晴れの日、西上州の西御荷鉾山に登る。久々の「まいたび山岳ツアー」 ツアーバスは関越道を本庄児玉ICで降り、国道462号線を神流川に沿って遡上する。おや、満開の冬桜。染井吉野の様な華やかさはなく寂しそうに咲く。万場で群銀の角を曲がり、林道を駆け上る。停車したのは「神流マウンテンラン&ウォーク」の標識がある山道分岐。長いバス旅から解放されたのは、男性8名、女性6名。珍しく男性の多いツアー。準備体操を終えて、鬱蒼とした杉林の林道を歩きだす。

若御子尾根登山口。林道から山道へ入る。道標には、「若御子山1.5km/40分、石尊山2.7km/90分、桐ノ城山3.5km/110分」 若御子尾根とは、桐ノ城山の城主が家来を引き連れて出陣した。その間、身重の妻は毎日南の山まで下りて帰りを待っていた。ある日、山中で産気づき玉のような男の子が生まれた。そこで、その場所を若御子山と呼ばれるようになった」とさ。植生は杉林からミズナラ林へ変わる。木洩れ日を映す厚く積もった落葉を踏んで山道をじぐざぐに上る。

若御子山南峰 西御荷鉾山


山は高度を増すにつれて色付き始める。若御子山は双耳峰。先ず南峰、標高891mに登る。ミズナラの落葉の褥に腰を下ろし、昼食休憩。樹林の山頂は展望を得るべくもないが、わずかに西御荷鉾山が覗く。その下方の茶色い屋根は「みかぼ高原荘」、山旅の最後に立寄るスーパー銭湯。北峰に向かって落葉を蹴散らして急坂を下る。深々と積もった落葉はややもすると踏み跡を消すが、枝木に結ばれたピンクのリボンテープが頼り。実は、トレイルランナー用の目印だってさ。

若御子山北峰はアセビの群落の中。北峰は南峰より低い。青いブリキにペンキで描かれた山頂標識、確認する間もなく北峰を下る。急斜面を下って、鞍部から上り返して石尊山分岐。山頂は登山道から外れた藪の中。急登して石尊山、標高954m。山頂は狭い。山道は少々手強くなる。山腹をへつり、岩稜を巻き、岩場を越える。教えられなければ見過ごしそうな石像がある。大きな露岩を背にして座す不動明王像。東側が開けた個所から釜伏山、西と東の御荷鉾山が見える。

三つ並んだ石祠を通過すると桐ノ城山への分岐。急登して桐ノ城山頂、若御子尾根の最高点、標高1,042m。松や杉の大木の中に山頂標識や石祠がある。こんなところに山城があったのかしら。樹間からすぐそこに西御荷鉾山を見上げる。ひと休みして山頂を下る。ここで大失態。掴んだ木は枯木、ぽきりと折れてあえなく転倒。緩やかに上ると黄葉したカラマツの美林を抜ける。杉林の鳥居を潜る。若御子尾根登山口で別れた林道に合流、その先で御荷鉾スーパー林道に出る。

浅間山、手前は妙義山 最奥は甲武信ヶ岳、その手前は両神山、
その手前は二子山


御荷鉾スーパー林道とは藤岡市鬼石町から南牧場村勧能に至る関東最長の林道。全長67.1km、幅員5m。この林道を右へ行けば東御荷鉾山、左にはオドケ山や赤久縄山の登山口がある。西御荷鉾山はスーパー林道を横切って急登する。主尾根に乗れば緩やかに稜線を上る。西御荷鉾山へようこそ、と迎えてくれるのは南を睨む背丈ほどの高さの不動明王像。山頂は東西に長く、南側と北側の樹木が切り払われた円頂の山。芝草に並んで腰を下ろしている壮年夫婦がいる。

大きな山頂標識と二等三角点がある。東端には北を向いているもう一つの不動明王像がある。西御荷鉾山は好展望の山。すぐそこに父不見山、その後方に両神山、二子山、甲武信ヶ岳。北には噴煙たなびく浅間山、妙義山の金洞山と白雲山、榛名山の掃部ヶ岳と榛名富士、相馬山。下山は南(中央)登山口へ下る。疫病の終息を願って、「大」の字が刈り込まれた脇を通り過ぎ、スーパー林道へ丸木の長い階段を下る。山旅を終えて「みかぼ高原荘」の展望風呂で疲れを癒す。


快晴 日帰り 毎日旅行、山岳ツアー 歩行距離=6km 歩行時間=3時間

新宿駅西口720⇒(まいたび、ツアーバス)⇒藤岡市万場⇒1010山道分岐
山道分岐10201040若御子尾根登山口10451120若御子山南峰11451150若御子山北峰11551115石尊山→1240桐ノ城山12551315桐ノ城山登山口→1320西御荷鉾山西登山口13301355西御荷鉾山14151430西御荷鉾山南(中央)登山口
西御荷鉾山南登山口1450⇒(まいたび、ツアーバス)⇒立寄り湯、みかぼ高原荘⇒1900新宿駅西口