三国山2 みくにやま  

245 2014/5/10(土) 三国山 1,328m → 大洞山 1,383m → 畑尾山 1,365m → 立山 1,335




駿河小山駅前に<富士箱根トレイルロード 明神峠行きハイキングバス 好評運行中>の看板が立っている。ハイキングバスは、季節運行、土曜休日限定、朝一便だけの富士急バス。富士箱根トレイルとは甲相駿の国境に設定され、富士山須走口五合目から西丹沢の三国山稜・湯船山・不老山を経て、金時山までを縦走する全長約43kmのトレイル。ルート上には、ブナ林をはじめとする落葉樹林帯が広がり、多くの花に彩られ、サンショウバラの群落を見ることができるという。

明神峠は湯船山と三国山との登り口。湯船山はサンショウバラの生育地として知られる。サンショウバラは薔薇科の中木、6月には桃色の花が咲く。今朝は快晴、無風、抜けるような青空。ハイカー24名の殆どが右手の湯船山へ向かうのを尻目に、僕は道路の法面に上って三国山を目指すことにする。明神峠は海抜900m。三国山まで標高差400mを上ればいい。トレイルは国道R147に並走する相駿国境尾根を往く。歩いて数分、簡易トイレを通過、やがて国道を横断する。

三国山山頂 ブナの森にヤマザクラ 
トレイルの前方にはいつも富士山が見える


ここが三国山東登山口。上り始めは丸木の階段。このコースで唯一の急登。大鉄塔まで上りつめると、この先立山を降るまで凡そ6kmの雲上の散歩道が始まる。広い尾根に幅広の山道は、若葉の樹林帯の中。黒い火山礫砂に積もった落葉を踏みしめて、枝葉に見え隠れする富士山に向かって進む。樹木の切れ目から好展望が得られる。御殿場市街の向こうに箱根連山、円頂の金時山、高峰は神山。愛鷹山、あれは越前岳。大きな山容の丹沢山塊、鋭峰は桧洞丸、蛭ガ岳。

サンショウバラと思しき木があるが開花はまだ先のようだ。それにしても富士スピードウェイからの走行音が興を殺ぐ。三国山は巨木の森の中、山頂は広い。ベンチに休む一組の老夫婦が居る。告知板がある。<三国山を中心とした明神峠から大洞山を結ぶ稜線一帯(約430ha)には、樹齢の高いブナ、ミズナラ、カエデ類などを主体とする天然林が広がっています。この美しい自然を守るため、この地域一帯は県条例に基づく自然環境保護地域に指定されています。 静岡県>

三国山から先は甲駿国境尾根を往く。「富士箱根トレイル」と「箱根町」との道標が競いあうように立つ。山頂から右折すれば山中湖畔へ下ることが出来るが、ここは直進する。新緑の梢の上に覗く富士山に向かって、平坦な砂礫のトレイルを歩く。見上げればひっそりと咲くヤマザクラ、ブナ林に薄茶色の幹はヒメシャラ。林床はコバイケイソウやササの群落。足元に小さなスミレ。紫、黄、白い花。ヅナ峠を通過、楢木山はそれと気付かずに通過する。緩やかに下り上り返して大洞山。

アザミ平と立山 須走紅葉台上から見る富士山


三等三角点のある大洞山の山頂には箱根町製の山頂標識が立ち、その傍らに小山町の棒杭も立つ。大洞山を後に1,366m峰を越えると前方が開ける。ゆったりとした立山の奥に大きな富士山が聳えている。降ったところがアザミ平。展望はない。広々とした茶色い更地、所々に木立がある。アザミなぞ見つからない。樹の下に食事中のカップルがいる。突然、相前後して二人のトレイルランナーが駆け抜ける。篭坂峠分岐を過ぎればアザミ平は終り、樹林を緩やかに上って畑尾山。

掘割状の山道を下り、カツラの群生地を分けて立山に登る。展望はない。富士スピードウェイからの走行音も絶えて、今度は裾野から自衛隊の大砲の音が山を揺るがす。あとは2km下ればゴールだ。ずるずると礫砂を崩しながら新緑の自然林を抜けて、桧林のじぐざぐ道を下る。須走紅葉台上の標識を過ぎると山道は尽きる。別荘地の舗装道路を下って車が行き交う国道R138に出れば山旅は終わる。うまい具合にコンビニがある。でっかい富士山を見ながら帰りのバスを待つ。


快晴 日帰り 単独行 歩行距離=9.5km 歩行時間=3時間55

JR駿河小山駅845⇒(富士急バス)⇒905明神峠
明神峠910935三国山東登山口→1010三国山10201030ヅナ峠→1050楢木山→1120大洞山(角取山)11301155アザミ平→1210畑尾山12151225立山12301335須走紅葉台
富士高原ゴルフ場1356⇒(富士急バス)⇒1425JR御殿場駅