#226 2012/11/16(金) 烏帽子岳 1,182m → シラケ山 1,274m → 天狗岩 1,234m
神流(かんな)川、鹿岳(かなたけ)、赤久縄(あかぐな)山
西上州の山は妙義山や荒船山をはじめ奇勝奇岩で知られている。南牧川流域にも岩峰岩塔が聳え立つ。鹿岳、毛無岩、立岩、みどり岩、大岩。南牧川の枝流の大仁田川と、神流川に挟まれた烏帽子岳や天狗岩もそんな岩峰のひとつ。山に彩りを添えるのはアカヤシオ。5月の連休には山頂のハイカーがこぼれ落ちるほどの賑わいだという。新緑や紅葉の季節もまた気持ちのいい山登りができる。今日の見所は、烏帽子岳と天狗岩からの眺望、それに郡界尾根の岩峰だろう。
快晴、無風、冷気。総勢22名の今日のツアーは珍しく男性の方が多い。道標に従ってシボッ沢の右岸を遡る。沢音だけが聞こえる静かな森。暗い谷間の杉林から色付いた自然林へ。厚く積もった落葉、足を取られる隠れた浮き石、払い除けながら進む伸びた枝葉、行く手を阻む倒木を跨いだり潜ったり。急登が続く。ややもすれば消えそうな踏み跡も二俣も、道標やリボンテープに注意すれば迷うことはない。奥の二俣からはじぐざぐの急勾配を上り詰めて郡界尾根の主稜線へ。
烏帽子岳山頂 | 烏帽子岳から見る浅間山 左端は行塚山 |
立ち止まりもせずに、マルの山頂から烏帽子岳に向かって急斜面を下る。コルでストックを仕舞って手袋をはめる。上り返してロープに縋って頂上へ。狭い山頂には山頂標識が立ち、石祠が鎮座する。主稜線から少々離れた位置にある烏帽子岳や天狗岩は見晴しの岩峰。加えて晴天の11月、遠望がきく。特長のある岩山を眺める。三ツ岩岳、大岩、鹿岳、四ツ又山。荒船山の後方に冠雪の浅間山。峨々たる峰は妙義山、その奥には白い壁をなす谷川連峰。下仁田町、前橋市街。
マルから天狗岩へ続く郡界尾根をひと睨みして烏帽子岳を下る。コルからマルの山腹をぐるりと巻いて主稜線に出る。落葉が積もった巻き道も、落葉した樹林の尾根道も、足に優しいおだやかな山道。横道分岐から七つの岩峰が連なる岩稜帯を縦走する。岩塊を這い上がり、足元を探りながら岩塊を降る。ロープや木の根は勿論、掴めるものは何でも掴む。バランスを崩すなよ、ナイフエッジのやせ尾根。岩の割れ目を跳び越える個所もある。難所に差し掛かる度に列は渋滞する。
烏帽子岳から見る中央左は鹿岳、その後ろは妙義山 左奥は谷川連峰、右奥は榛名山 |
岩峰を上る途中、上方から「戻って下さい」との声が聞こえる。先導するガイドさんがピークに到達するとその先は絶壁なのだそうだ。縦走路の最高点、シラケ山を素通りし、急下降してカラマツ林の鞍部で小憩する。ほどなく天狗岩。石祠の傍らの立木に山頂標識がある。山頂の先、鉄製の橋を渡ると岩峰の展望台。烏帽子岳とあまり変わらない眺望。名だたる特長のある山に目が移る。西上州の山では赤久縄山、稲含山、三ツ岩岳。越えて来た岩稜の郡界尾根、マル、烏帽子岳。
鞍部まで下りればもう岩稜を越えることはない。手袋を脱ぎストックを取りだす。おこもり岩。天狗様が祀られていたという浅い岩洞がある。そこに石祠。さあ、あとは下山するだけ。ヤブを漕いで下りたカラマツ林。陽の当たることのない谷間を黙して下る。避難小屋がある。まるで崩壊寸前の物置もどきの小屋。大岩壁の下部を摺り抜ける。濡れた落葉に隠された岩ゴロ。涸沢はやがて水の流れる小沢となって三つの鉄製の橋を渡る。薄暗い杉林に入れば天狗岩登山口はもうすぐ。
快晴 日帰り 毎日旅行会、山岳ツアー 歩行距離=4.6km 歩行時間=3時間30分
新宿駅西口7:20⇒(まいたび、ツアーバス)⇒9:50シボッ沢登山口
シボッ沢登山口10:05→10:35奥の二俣10:50→11:30マル→11:45烏帽子岳12:10→12:35横道ルート分岐12:40→郡界尾根P7からP1→13:30シラケ山→13:40天狗岩、天狗岩展望台14:00→14:15おこもり岩15:20→14:35避難小屋→14:45天狗岩登山口
天狗岩登山口14:55⇒(ツアーバス)⇒15:05塩ノ沢温泉に立ち寄り16:00⇒19:00新宿駅西口