#208 2011/10 /18(火) 鬼怒沼 2,020m
女夫淵(めおとぶち)温泉 燧(ひうち)ガ岳
日光沢温泉の朝は早い。朝食は6時。温泉宿製のおにぎりとペットボトルをサブザックに詰め込んだ軽装で出発、6時30分。本館と別館とを結ぶ渡り廊下の下に、鬼怒沼と標示された標柱がある。ここが登り口。石段を上った丁字路に道標がある。左は昨日降りてきた根名草山へ、右は鬼怒沼へ。温泉神社の脇を通っておさ音橋を渡る。橋の上から日光沢温泉の全貌が見える。赤い屋根、前庭に除雪用のショベルカー、川沿いに二つの露天風呂。対岸の絶壁は紅葉真っ盛り。
岩を噛む激しい水音を聞きながら、鬼怒川源流の左岸を遡る。湿った落葉の遊歩道。随所に立札がある。<この奥鬼怒歩道は道幅が狭く急勾配の個所が随所にあり、落石等の危険もありますので注意して通行してください><この先登山道につき、充分な装備と時間的余裕をもってお出かけください>
<転落事故・行方不明事案・山火事が多く発生...><20cm以下のイワナ、ヤマメは放流すること> ノシ滝なる小滝を通り過ぎ、二つ目の堰堤を越えると山道の上りとなる。
鬼怒沼湿原 背後の山は左から大嵐山と根名草山、右端は奥白根山 |
赤い落葉の急坂を上る。白い吊橋は丸沼への分岐。ついでベンチもあるオロオソロシの滝展望台に着く。紅葉の切れ目から轟音をたてて流れ落ちる滝を遠望する。オロとは日陰のこと。ヒナタオソロシという名の滝もある。先程の橋を対岸に渡れば見えるという。二つ目のベンチから根名草山を見る。林相はシラビソ、コメツガ。幾分傾斜が緩み、木道が時々現れる。山道は変じて柳橋沢の涸沢を遡る。厄介な濡れた大石、ぬかるみ、水たまり。オオシラビソの樹林から平坦になる。
突然樹林が途切れて大草原が展開する。鬼怒沼湿原の南端に到着。案内板がある。<鬼怒沼湿原は標高2000mで、尾瀬ガ原よりも600mも高く、日本一標高の高い高層湿原です また鬼怒川の水源といわれています この湿原の大きさは東西410m、南北720mで、その中に大小約250余りの池塘が点在しています これは昔ひとつの火口であったものが、埋没や隆起によって今のように分かれたものと考えられ、沼の水は涸れることがないと言われています 栃木県>
鬼怒沼山 | 鬼怒川源流の紅葉 |
オオシラビソの樹林で囲まれた鬼怒沼は、夏には高山植物が咲き乱れるお花畑、この季節には一面の草もみじと化す。北へ向かう一筋の木道は途中で二つに分かれ、また合流する。南に目を転じれば池塘に映る大嵐山、根名草山、奥白根山。木道をなおも歩めば梢の上に燧ガ岳を見る。流れる雲に双耳峰が見え隠れして。すぐ北に鬼怒沼山がある。その昔、この山から流出した溶岩流が平坦な台地を形成し、その末端部は苗場山のように急崖を造ったのが鬼怒沼だという。
下山は日光沢温泉まで往路を戻る。人里遠く離れた奥鬼怒四湯と呼ばれる温泉郷がある。日光沢温泉のほか、加仁湯、八丁ノ湯、手白沢温泉をいう。加仁湯や八丁ノ湯には女夫淵温泉まで送迎バスのサービスがある。日光沢温泉は昔ながらの佇まいを残す登山客向きの温泉宿。料金も山小屋なみ。宿泊客は鬼怒川源流の遊歩道を歩くほかはない。遊歩道の入口を間違えても、のんびり歩いても、女夫淵温泉の露天風呂に立ち寄っても、次のバス便までの時間をもてあます。
快晴 奥鬼怒温泉に前泊、日帰り 単独行 歩行距離=13km 歩行時間=5時間50分
日光沢温泉6:30→6:50丸沼分岐→7:15オロオソロシの滝7:25→8:40鬼怒沼南端→8:55(ベンチで休憩)9:00→(往路を戻る)→10:55日光沢温泉11:00→11:05(遊歩道入口不明につき引き返す)11:35→12:00(昼食休憩)12:10→13:20女夫淵温泉
女夫淵温泉15:35⇒(日光市営バス)⇒17:30東武線、鬼怒川温泉