#183 2009/10/15(木) 飯縄山 1,917m 日本200名山
長野の北になだらかな裾野を広げる山がある。いいづなさん。飯縄山と書く。土地の名は飯綱。これなら誰でも正しく読める。登りやすいことから長野市民に親しまれている山だという。信濃の北にある山を括って北信五岳と呼びならわされる。飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山。北信は北信濃の筈であるが、県境を越えた越後の妙高山が含まれているのがちょっと妙。予定は飯縄山を南登山道から上り、西登山道を下る。これがいちばん多く歩かれているコースらしい。
快晴、微風、願ってもない山歩きの朝。戸隠キャンプ場行きの路線バスを飯縄登山口で降りる。南登山道は別荘地を北へ向かう。カラマツ林の遥か先に飯縄山が見える。木の鳥居、ついで石灯篭を過ぎると舗装道路は終わる。左手に狛犬と飯縄大明神の扁額を掲げた石造りの鳥居がある。登山道の道標に従い木洩れ日の樹林を直登する。山道の傍らに可愛らしい石仏が立つ。不動明王。山頂直下まで続く十三仏のひとつ。これから石仏に出会う度に山頂に近付いた証となる。
第1 不動明王 | 飯縄山山頂 |
駒つなぎの場という小広場に第11石仏、阿しゅく如来がある。ここでひと休み。ミズナラの山は黄葉真っ盛り。静かな山。聞こえるは風に騒ぐ枝葉。軽食を摂る。さて汗も納まって出立。登山道は山腹の巻き道からジグザグ道に変わる。山道の石は上るにつれて大きくなる。ちらほらと紅葉の木々、黄葉のダケカンバ。第12大日如来を過ぎて水場。笹に囲まれた畳2枚ほどの平たい黒石がある。天狗の硯石。霞んだ志賀や浅間の展望台。もしやこの霞みは飛来した黄砂?
樹林を抜け出すと世界は変わる。笹原と紅葉の低木が山頂まで広がる。西登山道分岐を通過する。第13の石仏がとうとう見つからずじまい。飯縄大明神の石祠を過ぎて赤土の南峰に辿り着く。いちだん低い所に南を向いて赤い屋根の飯縄神社がある。飯縄山は信仰の山、飯縄忍法を生み出した山。本峰は北東に見える丸い峰。鞍部から上り返して山頂に着く。飯綱山山頂と記された山頂標識、山位同定盤がある。腰かけるに都合がいい石が数多くある。憩う十数人の登山客。
西登山道から見る飯縄山 | 戸隠、左端の峰は八方睨 右端は高妻山 |
ぐるりと見渡せば雄大な展望が得られる。眼下に飯縄高原、長野市街。目を奪う岩の屏風は戸隠連山。一夜山、西岳、戸隠山、高妻山。大きな山容の黒姫山。遠く霞んだ北アルプスの山々。下山はこのまま真っすぐ進み瑪瑙山を越える樹林コースもあるが、予定通り西登山道を戸隠中社へ降る。分岐を過ぎたところにちょこなんと座す地蔵がある。まさかあの第13の虚空蔵菩薩ではあるまい。西登山道は戸隠連山を見ながら下る。振り向けば色鮮やかな紅葉の飯縄山がある。
下り始めて30分、樹林に入る。展望のないカラマツ林は歩き難く辛い。石ゴロの急斜面、さもなくば濡れた土の急坂。樹林が途切れる度に見える戸隠山の断崖がだんだんと迫ってくる。香しいカラマツの落葉の上に積み重なる黄色い落葉。萱ノ宮という祠を過ぎる。中社への道標が現れる。林道を歩いてやうやう中社に到着。戸隠といえばソバが名物。人気のうずら屋は店前に観光客10人が列をなす。素通りして予約した旅館に駆け込み、主人の打ってくれたソバに下鼓を搏つ。
快晴 日帰り 単独行 歩行距離=10km 歩行時間=4時間15分
JR長野駅8:30⇒(川中島バス)⇒9:18飯縄登山口
飯縄山登山口9:20→9:35登山道入口→10:25駒つなぎの場10:35→11:25西登山道分岐→11:30飯縄神社11:40→11:50飯縄山12:15→12:30西登山道分岐→13:25萱ノ宮→13:35林道→14:10戸隠中社 (宿泊)