金山沢ノ頭(かなやまざわのかしら)

154 2007/10/23(火) 金山沢ノ頭 2,027m−X岩菅山 2,295




夜明け前、ほたる温泉からくっきりと見えた横手山は、日が昇ると流れるガスに覆い隠されてしまう。山の朝はガスが湧くものさ、日が射せば今日も晴れ、なんて勝手に決めつける。蓮池から発哺温泉まではダケカンバ林、場所により広葉樹林。標高は1,600m。だから見事な紅葉を車窓に映し出す。防雪トンネルを抜けると発哺温泉。見晴台広場から見下ろす谷間も、東館山の山肌も、赤と黄と緑の織りなす錦繍絵巻。よかったのはここまで。雨に祟られ、岩菅山敗退の巻が始まる。


発哺温泉 東館山山頂に高山植物園がある


東館山山頂駅へ上るゴンドラリフトは4人乗りのカプセル。ダケカンバの斜面を勢いよく昇ると、突然ゴンドラはガスに包まれ、激しい雨滴が窓を搏つ。それにしても山頂は寒い。温度計は零下を示す。待合室にはストーブが炊かれている。ますます激しくなる雨とガス。1時間歩いてから、登るか戻るかを決めようと、完全装備で白い世界へ飛び出す。霧の中に東館山高山植物園の看板。もうひとつの案内板 <<山は万人の財産である...ラスキンの一章>> これって何?


霧で霞む道標を探しながら、石組の坂を降りて木道を歩む。林道に出る。突き当たりは寺子屋スキー場。先が霞んで見えないゲレンデは登山道が分かりにくい。微かな踏み跡を頼りに芝草のゲレンデを上る。リフト小屋がぼんやりと見える。右方に標柱が立っている。岩菅山登山口。長い濡れた丸木の階段が続く。階段が尽きると、ぬかるみと水溜まりの尾根道。聞こえるは、レインウェアを叩く雨、風に騒ぐ樹木。霧が流れて視界は10mほど。沈黙の歩きを強いる無情の雨。


寺子屋山山頂、標高2,126m 金山沢ノ頭山頂、赤石山への分岐点


時には小降りに、時には激しく降る雨。寺子屋山を越えて金山沢ノ頭に到着。ここは赤石山への分岐点。歩き始めからちょうど1時間経過。展望のない雨歩きにうんざりして、引き返すことに衆議一決。戻る途中、悪天候にめげずに岩菅山へ向かうメタボの若者5人衆と、赤石山へと元気印の女性軍団と擦れ違う。悪路でも復路は早い。怱々に山頂駅にご帰還。早速ストーブを囲んで身体を温める。発哺ではバス待ち1時間。雲が割れて日が射すと、眩いばかりに紅葉が冴えわたる。


雨 日帰り 同行者=O君 歩行距離=11.4km 歩行時間=5時間50

硯川7:55⇒(長電バス)⇒8:25発哺温泉8:30⇒(東館山ゴンドラリフト)⇒8:35東館山山頂
東館山9:009:20岩菅山登山口→寺子屋山→10:00金山沢ノ頭→岩菅山登山口→10:45東館山
東館山山頂11:05⇒(東館山ゴンドラリフト)⇒11:10発哺温泉12:11⇒(長電バス)⇒12:50湯田中駅