社山 (しゃざん)     

151 2007/9/26(水) 社山 1,827m




横浜から日光白根を日帰りで登るのはちょっと無理。前日にどこか奥日光の山に登ろうと、白羽の矢を立てたのが社山。中禅寺湖を囲む南岸の山である。
山名は、ヤマケイでは「しゃざん」、昭文社の山地図では「やしろやま」。ヤマシロヤマを漢語にし、音読みするとシャザンとなる、なんて勝手に解釈する。秋めいて晴れた朝、立木観音を通り過ぎると駐車場。青い湖面の向こうに特徴のある三角錐の山が見える。あれが社山。ここから湖畔の周遊道路が始まる。


<中禅寺湖周回線歩道案内 この歩道は、中宮祠から菖蒲ヶ浜・千手ヶ浜・阿世潟・阿世潟峠・半月峠を周回する約20kmの歩道です。中宮祠から千手ヶ浜(通称北岸線)に至るコースには、ミズナラ・ナツツバキ・シロヤシオなどの多種類の広葉樹が林立し、また千手ヶ浜から阿世潟(通称南岸線)には、シャクナゲが多く原生し、新緑や開花及び紅葉の時期はとてもきれいです。半月山や阿世潟からは、日光連山や中禅寺湖などを一望できます。環境省・栃木県>


中禅寺湖畔から社山、右は黒桧岳 社山山頂


イタリア大使館記念公園を通過。湖岸は広葉樹林。紅葉はまだ1ヶ月先のようだ。半月山から下りてこの道を歩いたのは4年前の10月末、黄葉が夕日を受けて金色に輝いていた。時折、散策する人と擦れ違う。波が打ち寄せる湖の向こう岸には、山頂に雲の帽子を被った男体山が聳えている。民宿を過ぎると道路は未舗装、小石を踏む道になる。狸(むじな)窪まで来ると道にロープが渡されて通行止め。<台風による被害のため通行できません 今市林務事務所>


渋るO君を強引に誘って、通行止めのロープを跨いで先へ進む。僕は悪い子いけない子。日光の紅葉名所、八丁出島を通過。湖畔の道路は荒れた道。しかも、かなりの上り下りがある。やっと阿世潟。案内板がある。<阿世潟のダケカンバ林 阿世潟には木肌が茶色っぽいダケカンバ林があります。ダケカンバは日光では標高1500m以上の高所に生えていますが、ここは標高約1300mです。石が堆積して乾燥、貧栄養などの悪条件によるものと思われます。 栃木県>


狸窪から阿世潟まで、台風による崩壊箇所はない。通行止め突破は大成功。湖岸を離れて阿世潟峠へ上る。ダケカンバ林。歩きにくい石ごろの道。この辺りは道に迷い易いというが、何ら問題はない。石積みの補修から丸木の階段を上って阿世潟峠。峠を越えると足尾。尾根の左を見上げると半月山、右にはこんもりとした小峰がある。冷たい風を避けて木陰で昼飯休憩。道標の傍らに転がる掲示板が心をうつ。<山は命の母 森は動物のふる里 自然は地球の宝>


社山山頂付近から望む中禅寺湖、左は男体山、右手前は半月山


尾根を西へ、社山へ向かう。この尾根道は中禅寺湖の南岸を半周する縦走路。茶ノ木平から、狸山、半月山、社山、黒桧岳へと続く。上るにつれて展望が開けてくる。南は足尾山塊、北は中禅寺湖や男体山は勿論のこと、日光連山の山並。峠から見えた山は通信アンテナが建つ小山。少し下って上り返す笹の原。やっと社山が見えてきた。黒桧岳から縦走してきた人が降りてきた。あと5分で山頂ですよ、と言う。シロカンバ林の中、笹の急坂をなんと20分登って、やれやれ登頂。


社山の山頂は小広い広場。ここかしこに角の取れた大石が鎮座する。この先、黒桧岳への縦走路は針葉樹林に消えてゆく。眼下は足尾の谷間。その右奥は逆光の皇海山や庚申山か。社山は急登や危険箇所のないすんなりと上れる山。それに、冷風に吹かれて汗もかかない。でも草臥れたなあ、もう。下山は往路を戻る。標高差600m下ると6kmの湖畔歩きが待っている。曇り空の下、もう見えなくなった健脚のO君を追って、へろへろと笹の坂道を降る。湖畔の宿は遥か先。


晴のち曇り 日帰り 同行者=O君 歩行距離=14.6km 歩行時間=4時間30

東武日光駅925⇒(東武バス)⇒1015中禅寺温泉
中禅寺温泉10201110狸窪→1130阿世潟→1150阿世潟峠12151315社山13301410阿世潟峠→1425阿世潟14351540中禅寺温泉 (泊)