#144 2007/3/13(火) 日ノ出山 902m ← 御岳山 929m
奥多摩一の人気の山、御岳山へようこそ。ファミリー登山ならロックガーデンへ、ハイキングなら日ノ出山か大岳山はいかが。労せずして登れる山。ケーブルカーは満席の乗客を乗せて、25度の勾配を駆け上る。この時間には参詣人も観光客もまだ居ない。登山客ばかり。御岳山へ登るなら、古里駅から大塚山を経てもいいし、鳩の巣駅から表参道を上れば、別にバスからケーブルカーに乗り継がなくともいい。だが、早く山頂に着けば、それだけ足を遠くへ伸ばせるってことさ。
御岳平の展望台に見向きもせずに、御岳神社方面に向かう。満開の蝋梅を賞でながら赤い鳥居をくぐって山上集落に入る。宿坊、藁葺き屋根の家、堂々たる門構えの食事どころ。やけにきつい斜度の坂。神代ケヤキを過ぎると日ノ出山への道標がある。ちょっと御岳神社に寄り道しようかと、みやげもの屋街を抜けて社前に立つ。ふたつ目の鳥居まで石段を上ると、本殿ははるか上。あっさりと参殿を諦める。御岳神社は、なんと紀元前に創建された関東随一の霊場だという。
御岳山と山上集落 | 日ノ出山山頂 |
稜線なのに、里山の雰囲気。おやっ畑地がある。ここは「杉の木陰のみち」と名付けられた「関東ふれあいの道」 大岩を巻くと樹木の間から御岳山が見える。尖ったふたつの峰に張り付く山上集落。上方に小屋が見え出す。東雲山荘。その先に山岳公衆トイレがある。土壌中の微生物がし尿を分解する環境にやさしいトイレ。数十段の組石を上ると日ノ出山の山頂広場に着く。中央に東屋、その周りに配されたいくつものベンチ。十数人のグループが去ると春の山に静けさが戻る。
西高東低の気圧配置が数日来居座り、真冬に戻った寒い毎日。晴れても風強く寒い筈が、無風にして陽が注ぐ山頂。まさに眠気を催す日だまり登山。日ノ出山は低山とは思えない好展望で人を呼ぶ。東は武蔵野の市街地。西北には、御岳山、その奥には六ツ石山や鷹巣山が連なる石尾根の壁。北には、惣岳山から棒ノ折山に続く尾根。西から南へ、円頂の大岳山から派生する馬頭刈尾根。頭だけが見える富士山。南はこれから辿る鉄塔のある麻生山、遠方には丹沢の山。
ひとしきり眺望を楽しんだら、お好きな下山路をご案内しましょう。きょうびの輩は、東の吉野梅郷はいかが。早咲きの梅は今が満開ですよ。そう言えば、日向和田駅でカメラをぶら提げた大勢の人が降りていった。二番人気はつるつる温泉へ。「関東ふれあいの道」ならば、養沢鍾乳洞から大岳鍾乳洞へ降りてゆく。ところで僕らは一路西南へ、金比羅尾根を踏破する。奥多摩の山は、歩いて楽しい尾根が多い。石尾根、笹尾根、浅間尾根、馬頭刈尾根。金比羅尾根もそのひとつ。
日ノ出山から見た金比羅尾根 | 琴平神社展望台から五日市市街 |
丸木の長い階段を下ると針葉樹林に入る。つるつる温泉や養沢への分岐をやりすごして、金比羅尾根を指す道標を辿る。陽光を遮る鬱蒼とした尾根道。時折樹木が薄れると、右手に馬頭刈尾根を見上げる。この金比羅尾根はまるでアップダウンが少ない。幅員も広い。すべての小峰を巻き道で通過する。かつての五日市から御岳山への参道だという。あまりの単調さに、敢て小峰のひとつに上る。手書き標識は南沢山。上りは確かな踏み跡があるが、下りは藪を漕がされる。
知らぬ間に、麻生山やタルクボの峰、金比羅山さえも巻いて通り過ぎる。樹林の中、木漏れ日の差し込む路傍で遅い昼食を摂る。途中で行き会った登山客はひとり旅の3人、後方から音もなくMTBが追い抜いてゆく。林道が左下に見えると、突然樹林が切れる。林道の上を陸橋で越えるとまた杉林。尾根歩きも厭きた頃、大岩を背にして石祠、杉林の中に社殿が現れた。無人の琴平神社、その前はツツジの公園。そこに石造りの展望台がある。遥か下方に、あれがゴールの五日市市。
快晴 日帰り 同行者=O君 歩行距離=13.0km 歩行時間=3時間30分
JR青梅線、御嶽駅8:57⇒(西東京バス)⇒9:07ケーブル下
たきもと9:25⇒(御岳山ケーブルカー)⇒9:30みたけさん
御岳平9:30→9:45御岳神社9:50→10:25日ノ出山11:00→麻生山→(途中、昼食休憩45分)→13:45琴平神社13:50→14:30JR武蔵五日市駅