丸岳3まるだけ

136 2006/10/30(月) 丸岳 1,158m




小田急線の車窓からも、御殿場線からも、丹沢や箱根の山は霧に霞む山。紅葉はまだ早い箱根だから、せめて富士山でもとの希いも空しく、曇天。今年2回目の箱四会の日、また箱根仙石泊り。今春は明星ヶ岳・明神ヶ岳縦走。今度は丸岳に登ろうよと言ったものの、丸岳は今年2回も登っている。まっいいか。久々のK君とI君、それにO君が同じJR御殿場線の車両に乗合わす。ほぼ満席の小田急バス。冷気が流れる乙女峠バス停。富士見茶屋から眺めると、御殿場の向こうに裾野がゆるやかに立ち上がって、その先は雲の中に消えている。


掛け声に合わせて準備体操をするグループ。登り口前広場。体操なんかそっちのけ、デジカメでパチパチ撮り合うのが僕らのグループ。登山口から丸木で土留めした階段を上る。濡れた石と土。荒れたジグザグの山道。自然林から自動車の排気音が聞こえなくなると乙女峠、乙女茶屋。いつものように白い犬が尻尾を振って迎えてくれる。ねずみ色の斑点のある犬。確か真っ白の犬ではなかったっけ。空しい富士山展望台。ふたつのテーブルベンチには賑やかな十数名の同年輩の人達。東には神山や台ヶ岳の中央火口丘。大涌谷、たなびく噴煙。


丸岳山頂 芦ノ湖展望台


案内板、<孝子の伝説、悲恋の物語で知られる乙女峠は、箱根外輪山の中央、海抜1,000mのところにあり、ここから見る富士の壮観は特に素晴らしく、昔から富士見三峠のひとつに数えられている。その昔は相模、仙石原から御殿場へ通じる唯一の峠交通の要路といわれ、春から初夏にかけての若葉の萌え出る頃は、その香りが全山を包み、山鶯のさえずりと共に行き来する旅人の旅情を楽しませてくれる> ちなみに富士見三峠とは、河口湖の北、御坂峠と静岡の薩捶峠。乙女峠は左に上ると金時山へ、真っ直ぐに降りると乙女口。僕らは右に丸岳へ上る。


外輪山の稜線を南下する。落葉を踏んでアセビやウツギが交じる雑木林を緩やかに上る。日差しがなくとも汗ばんでくる。二つの小ピークを越えると、パラボラアンテナの建つ山頂が見えてきた。山道の両側からせまるクマザサをかきわけるようにして上り詰める。樹林が途切れて、丸岳山頂。東側が開け、西は通信施設があるところ。テーブルベンチを囲んで昼飯だ。案内板、<古期外輪山のひとつです。東側は急なカルデラ壁で、仙石原を眼下に望み、壁下部には箱根火山の初期噴出物が見られます。西側にには、標高1,097mの溶岩円頂丘を持っています>


展望の尾根道は笹を分けて赤土の下り。左手の中央火口丘と、前方に連なる稜線の間に、芦ノ湖が見え出した。白く光る湖面には遊覧船が描く一筋の航跡。はるかに愛鷹連峰も見える。惜しむらくは逆行、すべてがモノトーン。振り向けば、色づき始めた金時山、焼岳、明神ヶ岳の連なり。展望櫓のある富士見台。むろん富士山は雲の中。背丈よりも高いハコネザサの間を下る。左方の茂みからキジが現れて一瞬の間に山道を横切る。緑色の羽をした雉。2年前の春先にも、この辺りの雪道でも見かけたっけ。長尾峠、仙石原の東端、牛憩ノ泉への降下点。


富士見台から芦ノ湖を見る  左は中央火口丘の神山、駒ヶ岳  右は外輪山の連なり


この長尾峠で降りるのが当初の予定。誰からともなく、もっと歩こうよと言う声に押されて、このまま稜線を辿る。仙石原または芦ノ湖畔への降下点は、この先に芦ノ湖展望公園と湖尻峠がある。何れも階段を下りる。湖尻峠まで歩くと、稜線の歩行距離は倍になるし、幾つかの小ピークも越えることになる。しんどいよ。右の笹やぶの奥から自動車の行き交う音がする。箱根峠まで、この尾根道と付かず離れず走る箱根スカイライン。右に長尾峠展望台の標識をやり過ごす。芝生広場のある、似たような名前の展望地を通過する。富士見公園、富士見ヶ丘公園、芦ノ湖展望公園。


落葉を踏みしめて展望のない樹林を上り、ススキたなびく坂道を下る。上り下りを何度も繰り返して芦ノ湖展望公園。元箱根まで見通せる芦ノ湖、その向こうに鞍掛山や大観山、外輪山の三国山、中央火口丘の駒ヶ岳や神山。最後に、笹原にえぐられた赤土の急斜面を降る。湖尻峠。自動車専用道路を横切って、杉林の中に丁寧に石積みされた階段を降る。しかも濡れた石段。滑らず転ばず膝を痛めずに、深良水門。もう上り下りはない。湖畔に打ち寄せる波。まだ青々としたカエデの繁る芦ノ湖周回道路。この先に疲れた足を癒してくれる温泉がある。


曇り 日帰り 同行者=K君,I君&O君 歩行距離=101km 歩行時間=3時間50

JR御殿場駅940⇒(小田急箱根高速バス)⇒954乙女峠
富士見茶屋10001030乙女峠10401115丸岳12151250長尾峠→1325富士見公園13351340富士見ヶ丘公園→1355芦ノ湖展望公園→1420湖尻峠→1435深良水門14401510桃源台
桃源台1515⇒(箱根登山バス)⇒1520姥子入口