#118 2005/11/21(月) 男体山 871m → 女体山 877m 日本100名山
紅葉の山が落葉へと変わる季節。月初から風邪をひいて体調芳しからず。連日の好天を空しく過ごすやるせなさ。さて今日は、筑波山登山の日。三頭山と同じメンバー。O君とは秋葉原から一緒。つくば駅でI君が合流。K君は奥さん同伴、山頂で会えるかも。便利になったものだ。ピッカピカのつくばエクスプレスに乗れば、秋葉原から僅か45分でつくば駅に着く。田園地帯の向こうに、双耳峰の筑波山が見える。快晴、とてつもなく寒い朝。首をすくめてシャトルバスを待つ。
歩き始めは赤い大鳥居をくぐる。ホテルやみやげ屋が並ぶ筑波山温泉郷。石段を上って大層な筑波山神社の社殿。筑波山は万葉集の時代から広く知られる山。鋭峰の男体山にイザナギノミコト、たおやかな女体山にイザナミノミコトを祀ってあるのが奥社。ともあれ、古来から山岳信仰が栄えた霊山だという。御神体は筑波山。江戸時代には、将軍家の祈願所として1500石という広大な神領を擁したという。将軍さまの強い後ろ盾があれば、恐いものはない。
道標に従って、杉の巨木が繁る神社の杜から山道を登る。この道は「関東ふれあいのみち」 <御幸ガ原までのケーブルカー軌道に沿った林間の道は健脚向き>という案内文に恐れをなすI君。筑波山は照葉樹林と、階段のように組まれた黒石の山。<筑波石は、山津波などの山体崩壊によって山麓を中心に堆積した花崗岩の一種です。地表に露出した転石が風化作用を受けて表面に小さな凹凸が生じたもので、さびのある黒褐色です。庭石として、関東の名石です>
ケーブルカー沿いを上がると水場がある | 御幸ヶ原 |
ウィークデーなのに、この山道を登る人は多い。家族連れ、夫婦連れ。ケーブルカーのトンネルを越える辺りから長い急斜面もゆるんでくる。岩の間から湧き出る水場にふたつの柄杓。ちょっとひと休み。<この付近は男女川の水源地の近くです。古来、多くの詩歌に歌われるこの川は、男体山と女体山の間を南下して桜川へと注ぐ清く澄んだ川です。小倉百人一首にも選ばれた後陽成院の歌が有名です。筑波嶺の峰より落つる男女川、恋ぞつもりて淵となりぬる>
胸をつく急斜面を上ると御幸ヶ原。西の男体山と東の女体山とのキレット広場。十軒ほどの軽食とみやげ物屋。ひきもきらずに登ってくる観光客が右往左往。北側は開けて眼下は益子か真岡市か。筑波山へは、「関東ふれあいのみち」のほか、いろいろな「道」がある。<男体山頂には「自然研究路」が整備されています。「筑波山頂めぐりのみち」は、酒寄駅と御幸ヶ原を結ぶ約10kmで、ほかに、「筑波山めぐりから旧参道へのみち」は、北条大池までの約1kmです>
ガマ石 |
女体山から見下ろすツツジが丘 |
男体山からK君夫妻が下りてきた。早速始まるビョーキの会話。いちばんの経験者が雄弁になる。昼食を終えると、K君と別れて、筑波石の階段を踏んで男体山へ、871m。女体山もそうだが、神社と林立するアンテナが同居する山頂。しかも奥社は神社ならぬオミクジ売場。<筑波山の山頂一帯は、水郷筑波国定公園の特別保護地区に指定されています。特別保護地区内での全ての動物の捕獲、卵の採取、植物の採取は禁止します。採取すると法律により罰せられます>
3月下旬、山に春を告げるカタクリの里。2体のボケ除け地蔵。ドキッ。ガマ石を通り過ぎて女体山、877m。<関東平野にそびえ立つ標高877mのこの山は、西の富士、東の筑波と並び称され、古来、多くの詩歌に歌われた名山です。山頂から空気の澄んだ日には、富士山、太平洋、日光や那須、阿武隈の山々を展望することができます> 快晴とはいえ、霞ヶ浦さへ霞みの中。岩が重なる山頂に日本百名山の石塔。山頂直下を覗き込んだI君は恐怖の面持ち。
<筑波山の標高750m以上の山頂部には、ブナ、スズタケを優先種とするブナの天然林が見られます。ブナ林としては本県の最南端に生育するものであり、その森林は原生的状態が保たれ、学術的にも価値の高い貴重なものです> 下りは鎖場の続く岩場を降る。つぎつぎと現れる奇岩。そのネーミングがいい。北斗岩、裏面大黒岩、出船入船、母の胎内めぐり。弁慶ノ七戻石の茶屋で最後の休憩。また続く、手強い筑波石の階段、黙して桧と照葉樹の林を降る。
快晴 日帰り 同行者=O&I君 歩行距離=6.4km 歩行時間=3時間40分
つくばエクスプレス、つくば駅9:30⇒(関東鉄道バス)⇒10:10筑波山神社前
筑波山神社10:20→12:05御幸ヶ原12:30→12:40男体山12:45→13:15女体山13:25→13:55弁慶七戻石14:20→15:05筑波山神社
筑波神社前15:15⇒(関東鉄道バス)⇒15:55つくばエクスプレス、つくば駅