西吾妻山にしあづまやま

114 2005/9/10(土) 西吾妻山 2,035m 日本100名山




山形と福島との県境に東西に横たわる山々がある。東と西の吾妻連峰。人気の山はアクセスがいい。東吾妻は浄土平に山岳観光道路が通じて、気軽にファミリーハイクできる。西吾妻だってロープウェイとリフトを乗り継げば最高峰の西吾妻山へ容易に登れる。縦走するには、湿原、地塘を駆け抜けても山上泊を余儀なくされる。だから、東吾妻と西吾妻を別々に登ることになる。登り終えれば、西吾妻は岩また岩の山。段差の違う階段を3時間、昇り降りし続ける山。


小さな温泉街を通り抜けて、僕とO君だけを乗せたバスは、白布(しらぶ)湯元着。これから、ロープウェイと3台のリフトを乗り継いで北望台まで楽しちゃおう、と思ったら驚いた。第一リフトが定修につき、歩いて登って下さい。たったの10分です、だって。満員のロープウェイで、先ず天元台へ。見上げると、第一リフトを挟んで両側がゲレンデ。右側の、グラススキー・ゲレンデと思しき草地を登る。10分どころか、草いきれにまみれて上りきること15分。まったくの想定外。


人形石 大凹湿原


3リフトは長い。オオシラビソやシロカンバの原生林を分けて北望台へ。もうここは標高1820m。ひと息入れてから、左手の人形石への登山道を上る。樹林の中、湿った岩の重なりの道。体調不良につき辛い上り。黙々と登ると、岩だらけの大広場に飛び出す。人形石。標高1964m。岩の台地。東の隅に巨岩。ここは吾妻連峰が一望できる展望台。樹林と湿原の先に、藤十郎から一切経山へ続く東吾妻の山並、西にはゆったりとした西吾妻山が眺められる。


みずみずしい低木の自然林を分けて、中大巓(てん)の山腹を木道で進むとカモシカ平への分岐。前方の西吾妻山を見ながら、木段を降りると大凹(おおくぼ)湿原。標高1880m。点在する池塘。花の季節はとうに過ぎ、リンドウ以外に咲く花はなく、幾分黄ばんだ高山植物群。木道に腰掛けて休憩中の人々。湿原の終わりは人だかりの水場。小さな滝のように水がほとばしる水。氷のように冷たい水で喉を潤し、ペットボトルに詰め込む。ここからは大小の岩を這い上がる、気の抜けない登り。



中大巓から西吾妻山を望む


オオシラビソの樹林を上ると巨岩が重なる台地、梵天岩。10分歩いて天狗岩。共に標高2005m。岩の広場。西端に西吾妻神社の小社。晴れていれば、安達太良山や磐梯山が望めるはずの展望地。すぐそこに西吾妻山に続く西大巓。火照った身体に冷たい微風が心地よい。昼食休憩の後、さあ西吾妻山へ。木道を歩んで自然林を上ると、山道の途中に山頂標識。標高2035m。吾妻連峰の最高峰は、展望のきかない樹林の中。感激の湧かない日本百名山。


山頂をそのまま真っ直ぐ進んで山を降りると、西吾妻小屋のある湿原。花の最盛期ならば、さぞやと思わせるところ。天狗岩から往路を戻って、梵天岩、大凹へ。人形石への分岐をやり過してカモシカ平。標高1940m。斜面に大石が積み重なった展望地。北望台への最後の下りも、悩ませる石の山道。リフト、ロープウェイ、路線バスも乗り継ぎが順調。米沢名物は薄皮饅頭と米沢牛。饅頭を手土産に、牛肉弁当を食べながら車中の人となる。


晴のち曇 福島に前泊 同行者=O君 歩行距離=6.5km 歩行時間=3時間10

JR米沢駅805⇒(山交バス)⇒850白布湯元
白布湯元駅900(ロープウェイ)910天元台高原駅(徒歩)→9252リフト下(リフト2本)950北望台
北望台955→1030人形石1045→1135梵天岩1140→1150天狗岩1205→1220西吾妻山1225→1245西吾妻小屋→1245天狗岩1250→1320大凹1330→1345かもしか平1350→1405北望台
北望台1405(リフト2本)14302リフト下(徒歩)→1440天元台高原駅(ロープウェイ)1450白布湯元駅
白布湯元1510⇒(山交バス)⇒1557JR米沢駅