#113 2005/9/9(金) 屏風岳 1,825m 東北100名山 → 不忘山 1,705m 花の100名山
蔵王連峰のうち、最高峰の熊野岳や御釜はチョー人気。オカマ見たさに、刈田岳山頂まで通じる観光道路は、ツアーバスやマイカーが列をなす。ここは新宿じゃないっつーの。オカマ見たけりゃ、TVのバラエティ番組を見ればいい。オカマが出ずっぱり。蔵王は、深田久弥の日本百名山、田中澄江の花の百名山。そんな中央蔵王の人混みを避けて、好展望の稜線と、湿原で名高い南蔵王縦走路を歩く。けだし、花の盛りはとうに過ぎ、紅葉未だしの候、今夏最後の山登り。
車体をきしませながら、蔵王エコーラインを上る路線バス。刈田岳直下の刈田峠下車。やれやれ、やっと乗り物の長旅から解放されたのだ。山麓の遠刈田温泉は快晴だったのに、曇天。ゆっくりと流れる雲。南蔵王縦走登山コースと大書された案内板と道標がある。路肩に駐車する十台ほどのマイカー。南に大きな景色が展がる。これから向かう尖った前山、その後ろの丸い山は杉ヶ峰。オオシラビソの樹林を抜ける縦走路は湿った登山道。稜線漫歩は下りから始まる。
苅田峠から南へ、前山と杉ヶ峰 | 湿原の芝草平 |
樹高が低くなり、上り返すと森林限界を越えて、視界が開けた尾根道。右手はゆるやかな傾斜の樹海。冬には一面の樹氷なのだろう。登山路の傍にはリンドウが咲く。リンリンリンドウは濃紫、姉さの小袖も濃紫♪。裏は花色木綿。花の盛りには、色とりどりの花が目を楽しませてくれる尾根道らしい。振り返れば、刈田岳。その山腹を削ったジグザグの道路を上る車が見える。山頂標識が無ければ、通り過ぎてしまいそうな前山の山頂。標高1684m。ここでひと休み。
いつの間にか杉ヶ峰。標高1745m。ハイマツに囲まれた山頂広場には、中央に山頂標識と三角点。片隅にベンチ。惜しむらくは曇り。白い月山や飯豊連峰、朝日連峰の大パノラマは見えない。さらに南下して樹林。霧が割れて、下方に芝草平が見え出した。黄ばんだ芝草の湿原に、白く光る池塘。梅雨の頃なれば、高山植物が乱れ咲く花園。湿原を取り囲むオオシラビソの大木。木道を進んで、左に烏帽子岳への分岐をやり過す。左方の大きな山体は烏帽子岳。
ひと抱えもあるような濡れた岩を上り詰めると屏風岳。標高1825m。南蔵王縦走路の最高峰。笹やハイマツなどの低木に囲まれた山頂広場。道標にベンチ。おや、一等三角点がある。屏風岳は思案の山頂。ここから戻れば、刈田峠発の最終バスに間に合う。でも、少し歩き足りない気がする。昼飯を摂りながらO君と相談して、不忘山越えに決定する。南屏風岳へは、殆んど高低差のない稜線歩き。左は断崖、右は緩斜面の樹海。その中に池塘の水面がきらきら光る。
屏風岳 | 不忘岳 |
足に優しい散歩道は南屏風岳まで。ここから先は、ガレ場とヤセ尾根、それに泥んこの下山路が待っている。前方に不忘山が見える。ふたつ目のピークらしい。ヤセ尾根のガレ場を鉄鎖に身を任せて下る。トリカブトが咲く群生地がある。根が猛毒の草花。一見リンドウに似ているが、花びらが兜を被った鳥のような形。折りしも陽が射し、汗まみれで登る不忘山。標高1705m。積み重なった岩の山頂に鎮座する石祠。岩のひとつに腰掛けて汗を拭く。ゆったりと舞う赤トンボ。
さあ下山の刻。大きな岩塊は不忘の碑。太平洋戦争末期に墜落したB29の慰霊碑。ここは左に分岐するところ、足元のガレ場に注意を奪われて直進してしまう。後方のO君に呼び止められて仕切り直し。20分のロス。沢音が聞こえる。谷間の向こうの山は、ガスに覆われた水引入道。名も知らぬ花咲く下山路は広葉樹林の中。泣きのガレ場、水の流れる泥の道。弘法清水でひと休み。ようよう白石スキー場。タクシーに揺られて20分。白石名物ウーメンを食してオツカレ様。
曇時々晴 日帰り 同行者=O君 歩行距離=11.2km 歩行時間=4時間55分
JR
刈田峠10:30→10:05前山10:10→10:30杉ヶ峰10:40→12:00芝草平→12:35屏風岳13:10→13:35南屏風岳13:40→14:15不忘山14:30→16:35白石スキー場
白石スキー場16:40⇒(タクシー)⇒17:00JR