職人澁海の「パフェを作る!!」
「資料無しだぜ!!バナナパフェ!! 編」


2002年 5月 4日

俺、澁海は思い立っていた。
パフェ斬り屋として、今まで数多くのパフェと戦ってきた。
勝利、挫折、苦悩、幸福・・・・さまざまな戦いがその中にはあった。
数多くの経験が、俺のパフェ斬り屋としての能力を高めてきた。
だが。
このままでは駄目だ。今のままでは駄目なんだ!!
真のパフェ斬り屋を目指すなら、更なる高みを目指さねばならない!!
それは、そう・・・・・・・
パフェを作ることにある!!
かくして俺は、「パフェを作る」という新たな境地へと足を踏み入れることになったのだ。

17時30分。材料を調達し家へと帰宅した。
いよいよパフェ作成の開始である。
今回は、全てへと至る道、パフェの王道の1つであるバナナを使った「バナナパフェ」を作る。
さらに今回はパフェ斬り屋として、「一切の情報を調べずに、自らの感性のみで」パフェを作る事とする。
まず最初に作るべきは、中核をなすべき「生クリーム」。
アイスとの対比を考え、やや甘みを抑えた味付けを目指す。
ボールにホイップをいれ、やや押さえ気味に砂糖を入れる。

そして、ホイップを泡立てる。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
一心不乱に泡立てる。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
ただひたすら泡立てる。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
・・・・・
腕が・・・つりそうだ!!
泡立てることの辛さに、俺は涙した。
料理人って・・・・実は腕むきむきなんじゃないのか?!!
だが、俺には電動の泡立て機を買うお金などない。
というかそんなものを使っては、パフェ斬り屋とは言えない!!
やはり、延々と泡立てる。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
ある程度泡立ちはじめると、抵抗が高まりさらに辛い。
くぅ!!
その辛さに耐え、さらに混ぜる。
軽く味見。
・・・・・ぜんぜん甘くない!!
砂糖追加。実はこの時点で、砂糖をはかりで計らず目分量で入れているあたりに問題があるような気がするが。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
軽く味見。
・・・・・ぜんぜん甘くない!!
砂糖追加。
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ。
軽く味見。
よし!!なんとか味がととのった!!
ついにホイップは完成した。



いよいよ、パフェの最重要部分である盛り付けである。

今回はどんぶりを使う。

まずバナナを切って、そこに敷き詰める。

その上にアイスの層を作成。

その上にチョコフレーク層を作り、その上にさらにアイスの層を作成していく。

アイスの層が完成すると、ふちに切ったバナナを立てて壁を作っていく。

次にアイス層の上に生クリーム層を形成。

生クリーム層の上に、さらにバナナ。
しつこいぐらいバナナで攻める。

その上にさらにアイス層を・・・・・・
えーいめんどくさい、余りを全部のっけちまえ!!どばぁ!!

生クリームも豪勢にどばぁ!!
生クリームをトッピングするための武器を買い忘れたために、とんでもない盛り方になっているが。
さらにしつこくバナナでトッピング。
そしてポッキーを5本、ぶさぶさぶさ。当然種類はMen'sポッキーである。



完成!!ばばーん!!
思いのほかでかいものが完成してしまった。
しかし、見よ!!この美しきフォルム!!
パフェ斬り屋たるもの、この程度はさっと作れねばだめだろう!!
資料無しでここまでのものを作るとは!!
・・・・・不安だ、味が(大汗


たまたま家にいたパフェ斬り屋2人と、計3人で早速試食。
むしゃむしゃむしゃ。

どんどん食べ進む。
「生クリームの甘さ抑え目な感じがいいね」
「甘いアイスとうまくマッチしてるね〜」
うむ、なかなか好評である。
が。
「あまぁーーーー!!」
突然悲鳴が上がった。
「こ、こいつぁ・・・・!!」
俺自身も苦しみの声を上げる。
チョコフレーク。
チョコフレークが思いのほか甘かった。
「こら、たまらん!!」
どぎつすぎる!!
しまった!!選択をミスった!!
お店で、コーンフレークとチョコフレークで悩んだのを思い出す。
なんであそこでチョコを選んでしまったんだ!!
甘さを抑えるためには普通がいいに決まっているのに!!
考えが足りなかったようである。

なんにしても無事完食。
ほかがよかっただけにフレークに大きな後悔が残った一品になってしまった。
俺のパフェ斬り屋への道は遠い。



教訓。
「いや、やっぱり資料は必要かと」




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