澁海、東京パフェを食う!!
「今の澁海に死角なし? 編」


11月25日。
澁海は新宿の地に降り立っていた。
新たなパフェに挑戦するためだ。
今回の相方はかつみさん、パフェの情報提供者だ。
駅前で落ち合うと、早速戦場へ向かう。
駅のすぐそばにその店はあった。
「アメリカ的家」。
店前にあるメニューを見ると「ジャンボパフェ」という名前のパフェが。
「これが今回のパフェというわけか」
澁海は誰に言うでもなく呟いた。
「いきましょうか」
かつみさんに促され、澁海はお店へと足を踏み入れた。
席に着くと、早速メニューを確認する。
丁度昼食時だったため、食事も一緒に注文する。
澁海はもちろん「ジャンボパフェ」、かつみさんはサイズが普通の「ヨーグルトパフェ」を注文。
「こちらは食後でよろしいでしょうか」
「はい」
注文も無事終了。
(・・・・・は?!)
その時点で澁海は気付いた。
(し、しまった!!パフェのサイズも確認してないのに飯まで注文しちまった!!)
後悔先に立たず。
(く!!もう、なるようにしかならないか!!)
澁海は覚悟を決めた。

程無く食事が運ばれてきた。
会話しながら食事しつつも、澁海は内心どきどきしていた。
(だ、だいじょうぶなのか?)
しかも実は食事も結構量がある。
(・・・・・やばいかも)
澁海は冷や汗をかいた。
やがて食事も終わり、会話しながらその時を待つ。
微妙にお腹がいっぱいになっているのが非常に気になりつつも、澁海は冷静を装る。
そして、パフェはやってきた。
「な、なに!!」
澁海は驚いた。
そのパフェは確かに大きかった。一般的には確かに大きな部類に入るパフェであった。
しかし、驚いたのはその大きさにではない。
そのパフェを見て「余裕だな」と思ってしまった自分自身である。
(おいおい、その感覚はおかしいだろ、俺!!)
思わず自分で自分に突っ込みを入れている。
「これ、大きいよ〜」
目の前では、かつみさんが普通サイズのパフェを見て戦々恐々としている。
(・・・・・やっぱり、俺の感覚はおかしいんだよな)
そうして、改めて自分の感覚のおかしさを澁海は確認する。
(まあ、いくら考えたところでこれを食えないと思えるようになれるわけではないしな)
澁海は何とか気を取り直し、2人はパフェを食べ始める。
むしゃ、むしゃ、むしゃ。
「このフルーツ、食べるの面倒だな〜」
「このパフェの生クリームの甘さは、生クリーム好きの私としてはすごくいい感じです」
むしゃ、むしゃ、むしゃ。
「このチョコ硬っ!!」
「む〜、かなりお腹いっぱいです」
むしゃ、むしゃ、むしゃ。
と。
「!!!!!!!!!!!!」
「ど、どうしたんです?!澁海さん?!」
見れば、澁海がなんだか凄いヤバイ顔をしている。かなりヤバイ。
澁海は痛恨の一撃を受けていた。
「こ、このグレープフルーツ・・・・すっぱすぎる・・・・・」
これはパフェとしてはかなりの減点だ。
なんとか持ち直し、再び食べ始める。
むしゃ、むしゃ、むしゃ。
そして。
「完食!!」
「私もなんとか食べ終わりました〜」
「む〜ん、あのグレープフルーツは曲者だった。っていうかトラップだろ絶対」
澁海はやはりグレープフルーツに納得がいかない様子だった。
ともあれ、勝利は勝利。かつみさんも頑張り、完全勝利を迎えた・・・

しかし、澁海は今回で気付いてしまった。
「びっくりパフェ」「チョコレートジャンボ」「びっくりびっくパフェ」と
数々の兵(つわもの)達と戦ってきた澁海にとって
もはや「普通にでかい」だけのパフェでは敵ではないということを。
もはや澁海に死角なし。

「いや、違う、違うだろ!!
パフェ斬り屋の本当の仕事は[大きなパフェ]を食べることじゃなくて
[おいしいパフェ]を食べることだろ!!
目的変わってるぞ!!」
・・・・・なにやら寝言が聞えるが、聞えないことにしよう。
「いや、まぢで!!!!!!」


今回の敵。右が澁海、左がかつみさんの敵。


あっさり完食。



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