澁海、東京パフェを食う!!
「深き心の傷 編」


2001年3月22日。
それはかつてない大事件だった。
パフェ斬りの存亡に関わるほどの大事件だった。
絶望、恐怖・・・・澁海の心には、深いトラウマが残った。


その日、澁海は会社の人に飲みに誘われた。
しかし行く場所が決まっていない。
と、その時ひとつ澁海は思い出したのだ。
「そういや、会社のそばにでかいパフェあるとこあるって聞いたな」
早速そこにいってみることにした。
会社のそばにある駅ビルの最上階。
「アジアの調理場」
でかいでかいという話に、澁海は
「びっくりパフェくらいかな」と思っていた。
ウィンドウにパフェがあったのだか、みなが先に行ってしまったため
ほとんど見ないで、店に入った。
店員が来たので早速注文してみる。
「すみません、あの外にあったでっかいパフェ」
「ああ、あのパフェですね。あのパフェ[メニューにない]んですよね〜」
(な、なに?!!)
澁海は何か嫌な予感がした。
それを振り払うように店員に聞く。
「して、パフェの名前は?」
「あ、名前ですね。[びっくりビッグパフェ]です」
(な、なんだ、そのどっかで聞いたような名前は?!!)
というよりは「ビッグ」がついてる分、上手だ。
ぞくりーーーー。
澁海は背筋に、何か嫌なものを感じていた。
「これは食後ですか?」
「いや、今すぐお願いします」
店員の言葉をそう制し、下がらせる。
しばし待つ。
・・・・
と。
ぱふ、ぱふ。
遠くから、なにやら音が聞えた来た。
「ん?」
シュパパパパパパ。
なにやら燃えるような音。
「お、おお?おおおおおおおおおおお?!!!」

挿入歌「やってきましたびっくりビックパフェ」
響き渡るぜ、効果音。
炎放つぜ、2つの花火。
妙にテンション高くして、
店員そいつを持ってきた。
(*)Oh!!YES!!
そいつは、パフェだ。
Oh!!YEAH!!
花火2本ささり。
Oh!!NO!!
ちょっとでかすぎだ。
Oh!!MY GOD!!
さよなら、人生。
(*)繰り返し
(*)繰り返しでフェードアウト

そのパフェが澁海の前に置かれた。
で・・・・でかい!!でかすぎる!!
・・・・いや、でかいなんてもんじゃない!!
なんというか・・・・・
でか!!
そのでかさは尋常ではなかった。
今まで伝説とされた「びっくりパフェ」。
そのびっくりパフェよりさらに一回り大きい。
「まぢかよ・・・・・」
澁海は戦慄に喉を鳴らした。
「しかし、やるしかないな・・・・」
そして澁海は戦いに赴く。
しかし・・・・・澁海はこのとき気づいていなかったのだ。
真なる敵は、その「量」ではなかったということを・・・・・・

1時間半後。
「・・・・・・」
澁海は・・・・もの言わぬ物体となっていた。
目の前の器には、わずかに残ったパフェ。
と、澁海が何か呟いた。
「甘い・・・甘いよ・・・・違うよ、この甘さ・・・」
大きいだけで普通に見えたパフェ。
立っているバナナ、3つの山で構成されるアイス、
生クリームの3つの山、3つのチェリー、底を埋めるコーンフレーク。
そう、見た目にはごく普通なのだ。
「なんだ、この量ならいけるや」
食べ始めたとき、澁海はそう思ったのだ。
しかし・・・・能ある鷹は爪を隠す。
真の魔物は、コーンフレークの中に隠れていた。
スポンジ状の物体。
それは、「カステラ」だった。
これは危険だ、危険すぎる。
甘い、甘すぎるのだ!!
しかも、その甘さはパフェにはあまりにも合わない。
ただでさえ大量のパフェを食べて甘くなっている口を、
これでもかというくらい甘くする。
・・・・もはやこれは禁忌の秘法なのだ。
「だめだ・・・・もう食えない・・・」
これ以上食えば・・・・・
「ただいま」といって、パフェが帰ってきてしまう。
「・・・・・完敗だ・・・・・・
・・・・でも、二度と食いたくない・・・・・・」
そう・・・・澁海は生まれて初めて
完食出来なかったのである!!
澁海の心には、深い傷が刻まれた・・・・・



会長が完食出来なかったパフェ・・・・
この状況を打開するためには奴の登場を待つしかない・・・・
パフェ斬り屋最強の男「じゅん」の登場を・・・・


光ってやがる。

このコーンフレークの中に悪魔が・・・

この状態まできてますが、これ以上食えば「ただいま」です。


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