澁海、東京パフェを食う!!
「澁海、強敵(とも)との再会 編」


前回のあらすじ
「生きてんだったら、夢を追え!!」澁海は呟いた・・・・
・・・では、本編をどうぞ。

それは、最強の敵だった。
そして、澁海に初めて敗北の苦汁をなめさせた相手だった・・・・

2月。澁海は再びその地に立っていた。
「飛騨の高山ら〜めん」
そう、澁海が前回完膚無きまでに叩きのめされた
あの「びっくりパフェ」の店である。
今日の相方は、丁度東京に遊びに来ていたイヅミンである。
びっくりパフェを初めてみるイヅミンのために、
入り口の手前にあるガラス張りで、
とりあえずウィンドウパフェをしてみる。
「やめようか」
びっくりパフェを見たイヅミンは、あっさりそう言った。
「だめだ!!俺たちは負けるわけにはいかないんだ!!」
そんなイヅミンを澁海はなだめる。
「なにより今日は別の目的もあるんだ!!」
そう、澁海がもう一度びっくりパフェと対峙しようとしたのには
戦うと同時にもうひとつの目的があった。
それは・・・・・「びっくりパフェの姿を撮る」ことである。
これは全国のパフェを制覇するという澁海の野望にとって
重要なものであった。
「いくぜ!!」
なおもためらうイヅミンを促し、二人は店に入る。
「じゃあ私は味噌コーンバターラーメンね」
イヅミンはいきなり脱落した。
(く、負けてたまるか!!)
「びっくりパフェを」
相方の脱落にショックを受けつつも、澁海は負けじと
例の一品を頼む。
「パフェはもう作り始めて・・・・・・」
「いいです!!」
澁海は店員の言葉が終わるか終わらないかのうちに、
迷わずそう答えた・・・・

眼前で相方がラーメンを食べ終わるころ、
そいつはやってきた。
「ぬう!!」
相変わらずの威圧感。
「飛騨の高山ら〜めん」名物、
最強の敵、
1500円(税別)、
びっくりパフェ」!!
美しいフォルム、洗練された黄金律。
まさに「こんぐらっちゅれいしょん」。
「また・・・・会えたな、強敵(とも)よ」
前回とは違い、入れ物は普通の「ピッチャー」であったが、
恐怖、悲しみ、苦しみ・・・・・・・
そしてそれを全て飲みこむかのような、絶対的な「絶望」。
その感覚はあいかわらずだった。
「がんばってね♪」
相方は応援の言葉を言いながら、
さりげなく他人のふりをしようとしていた。
「うぬ・・・」
ちょっとさびしくなりながらも、
澁海は再びその戦いに身を投じた。
が、わずか5分後・・・・・・
「こんなん・・・・・・勝てるかぼけぇ!!!!」
早くも澁海は敗北した。
「イヅミン・・・・・手伝ってくれ〜」
澁海が他人のふりをしている相方に助けを求めた。
「え〜」
しぶしぶイヅミンもスプーンを持ち
戦いに参加した。

1時間後。
「うきょ〜!!!!!!」
ごきゅごきゅごきゅーーーーー!!
すでにダウンした相方を横目に、澁海は前回同様、
最後に残った甘い海をまるでジュースかのように
飲み干した。
「お・・・・・おわった〜」
「強すぎるぜ・・・こいつは・・・・」
すでに二人ともぐったりであった。
「強敵(とも)よ・・・・お前は強すぎるよ・・・・・・まぢ」
グロッキー状態になりながら、澁海は
ミッションコンプリートしたそのパフェの入れ物に、
ガッツポーズをしてみせた。
今回の教訓。
「びっくりパフェは・・・・一人で食うな」

帰り際、店員が二人に声をかけた。
「びっくりパフェ・・・・・大丈夫でした?」
「ええ。今日は二人でひとつでしたから。
前、一人でひとつ食べたときよりは楽でした」
前回一人で食べたという言葉にその店員は驚いていた。
ついでなので、澁海は今回疑問に思っていたコトを聞いてみた。
「今回食べたびっくりパフェ、
前回食べたときと入れ物がちがったんですが?」
店員の話では、どうやら日の注文量によって入れ物がなくなり、
変わることがあるそうである。
(・・・・・そんなに注文する人がいるのか?)
新たな疑問が残ってしまった。

帰り際・・・・
お店からもらったスタンプカードをみながら、
相方が最後にとんでもないことを言ってのけた。
「これスタンプ貯めたら、びっくりパフェがサービスなんだって。
スタンプ貯めれば?・・・・びっくりパフェで」
「・・・・・・俺を殺す気か」


今日の最大の敵は、イヅミンだったのかもしれない・・・・・・


<完>


なお今回の戦利品を以下に示す。

隣のコップと比べてください。

「強敵(とも)よ・・・・お前は強すぎるよ・・・・・・まぢ」


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