『竹 取 物 語』




★ 下線の引いて、<>内にカタカナを記したものは歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直したものです。
★ オレンジ色でリンクしてある語句は、単語説明がでます。



【本文】

 今は昔、竹取の翁といふ<ウ>ものありけり。野山にまじりて竹を取り つつよろ<ズ>のことに使ひ<イ>けり。名をば、さぬきのみやつこと <ン>ひ<ヒ>ける。
 その竹の中に、もと光る竹なむ<ン>一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いと うつくしう<シュウ><イ>たり。




【現代語訳】

 今ではもう昔のことになってしまったが、竹取の翁という人がいた。(彼は)野山に分け入って竹を取りながら、いろいろなことに使っていた。名前を、さぬきのみやつこ、と言った。
 (ある日のこと)その竹林の中に、根元が光っている竹が一本あった。不思議に思って、寄ってみると、筒の中が光っている。それを見てみると、(背丈が)三寸ほどの人が、とてもかわいらしい様子で座っていた。