『古今和歌集』
★ 下線の引いて、<>内にカタカナを記したものは歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直したものです。
★ オレンジ色でリンクしてある語句は、単語説明がでます。
【本文】
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひ<オイ>ける
(紀貫之 巻一 春歌上−四二)
【現代語訳】
「人の心はというものは、さぁ〜どう変わってしまったのかは知らないが、梅の花は昔と変わらずに匂っているなぁ」
【本文】
しら露の色はひとつをいかにして秋の木の葉をちぢにそむらむ<ン>
(藤原敏行 巻五 秋歌下−二五七)
【現代語訳】
「白露のの色は白一色であるが、どのようにして秋の木の葉をさまざまに染めていくのだろうか」
【本文】
思ひ<イ>つつ寝(ればや人の見えつらむ<ン>夢を知りせばさめざらましを
(小野小町 巻十二 恋歌二−五五二)
【現代語訳】
「あの人のことを思いながら寝ていると、(夢に)現れたのだろうか。夢と分かっていたならば覚めないでいたのだろうに」
【本文】
飛鳥川淵は瀬になる世なりとも思ひ<イ>そめてむ<ン>人は忘れじ
(よみびとしらず 巻十四 恋歌四−六八九)
【現代語訳】
「飛鳥川の淵が瀬になったりするように変わりやすい世の中であるけれども、(一度)愛した人のことは決して忘れはしない」