★ 下線の引いて、<>内にカタカナを記したものは歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直したものです。
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【本文】
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらは<ワ>す。おごれる人も久しからず。唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ。ひとへに風の前の塵に同じ。
【現代語訳】
祇園精舎の鐘の音には、諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化して留まることがないという響きがある。沙羅双樹の花その色は、勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという(この世)の道理をあらわしている。(そのようなわけで)世に栄え得意になっている者も、(その栄えは)ずっとは続かず、春の夜の夢のようである。また勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。