@夢のない子どもたち
僕は学生時代から数え、今年で塾の講師も7年目になる。そこでは子どもっぽい生徒、大人びた生徒、物静かな生徒、非常に元気な生徒など様々なタイプの生徒に出会ってきた。それは僕にとっても勉強を教える以上に良い経験であったし、良い出会いもたくさんあった。しかしながら、生徒一人一人を見てみると、ある意味元気のない生徒が多いように思う。ここで言う元気のないというのは、人生を元気に歩いていないという意味である。その大きな原因は、あまりに抑制・制限を受けた生活を強いられていることであろうが、それによって子どもたちは、「夢」という人生における最大の喜びを失ってしまっている。僕が彼らくらいの年頃の時には、皆、漠然とはしていたが、何かしらの「夢」を持って生きていた。もちろんその通りに人生が運ぶとは限らなかったが、それでもまた次の「夢」を見つけてはそれに向かって人生を歩んでいたように思う。それが最近の子どもたちには欠けている。何のために生きているのか、たとえば授業をしていても何故自分が今ここにいるのかの存在確認ができないでいる。そんな悲しいことがあるであろうか。
A貪欲に生きよう
子どもたちに「夢」がなくなってしまった原因はいろいろあると思うが、やはり親もしくは大人たちに一番の原因があるのではないだろうか。先にも述べた通り、あまりに抑制・制限を子どもたちに与え過ぎている。「あれはしてはいけない」「そんなもの買ってはいけない」など「〜はいけない」という類が多すぎる。もちろん、子どもを甘やかせということを言いたいわけではない。しかし子どもが生きる上で一番大切なことは「欲」を持つことではないかと僕は思う。「欲」というとなにかしら悪いイメージを抱きがちであるが、「欲」こそが子どもに限らず誰しもが生きる源泉なのではないだろうか。僕の中では「欲=夢」という構図が成立している。たとえば、お金持ちになりたければ一生懸命働かなくてはならないし、異性と素晴らしい恋愛がしたければ一生懸命自分を磨かなくてはならない。また良い学校に入学したければ一生懸命勉強しなければならない。つまり「欲」を満たすためには、常に「一生懸命」というものが必要になるのである。逆に言えば、「欲」がなければ「一生懸命」にもならないであろう。「欲」や「夢」は「空想」ではない。必ず叶うものであるし、叶えようと努力すべきものである。そういったものをどんどん持って、力強く歩んで欲しい。
Bまとめ
今の時代は日本に限らず世界中が、ある意味危機に陥っている。その未来を明るく切り開くのは、当然のことであるが、今の子どもたちである。その子どもたちが元気に歩かなければ、未来も暗い。だからこそ今のうちに、多くの失敗・挫折を経験しながら、最後に価値ある「夢」を実現してもらいたい。
( 2002/5/28 )