心も身体も……魂ごと……俺を支配して……
……俺の全てになって……
「……立夏……」
「……うっ……んんっ……」
重なる唇から、今までにない草灯の熱を感じる。
決して逃れることの出来ない熱……
口内の粘膜をまさぐられ、執拗に舌を絡ませられる。
まだ息継ぎも上手く出来ない立夏は、
軽い酸欠状態に陥り、はぁはぁと息を弾ませた。
苦し紛れに草灯の舌から逃れようとすると、
より一層強く絡め取られ、飲み込めない唾液が唇の端から零れ落ちる。
今まで何度もキスは交わしていたが、
こんなにも激しく感じたことはない。
これが大人のキスなのだと思う反面、
キスだけでこんなにも感じてしまう自分が恥ずかしくもあった。
舌同士が触れ合う感触に、自分の中の何かが壊れていく気がする。
口の中を我が物顔で蹂躙されると、
体中から力が抜け、弛緩してしまっている。
初めての経験で無理もないと思うが、
これ以上のことをこれからされるのかと思うと、
考えただけで自分の許容範囲を
大きく超えてしまっているのは間違いないとわかった。
ようやく唇が開放されたかと思うと、
今度は無数のキスの雨が、立夏の身体じゅうに降り注ぐ。
頬や髪をやさしく撫でられながら、
今までこんな風に誰かに触れてもらった記憶がないことを悟る。
『ああ……人に触れてもらうのって、本当はこんなに心地いいものだったんだ』
ふと立夏の目元から一筋の涙が光る。
随分昔、清明に頭を撫でられたことはあったが、
その時の心地よさとは違っている。
母親になど、思いあたる限りでは満足に触れてもらったことすらない。
誰かに求められると言うこと、
そして誰かを求めると言うこと、
互いに求め合う行為がこんなにも甘美な感覚を伴うものだと、
立夏は今まで知る由もなかった。
草灯が立夏に触れるときは、まるで壊れ物を扱うように優しい。
何度もキスされ、身体に触れられ、草灯の熱を身体で感じられる。
その大きな手のひらは、立夏の身体を覆うには充分な大きさだった。
触れている肌から伝わる草灯の熱。吐息。汗。
全てが愛しく思えて、立夏は眩暈がした。
『このままずっと、こうしていたい……』
立夏が甘美な感触に酔いしれている時、
ふと、草灯の動きが止んだ。
「……そう…び……?」
不思議に思った立夏は、目を開けて草灯の表情を伺う。
すると、草灯はさっきとはうって変わった険しい表情をしていた。
それは立夏の首筋の裏に、
誰かが付けたらしいキスマークを見つけたからだった。
「ねぇ立夏……俺がいない間……何してたの?」
「……え……?
そりゃ、学校行ったり、キオと遊んだり……」
「そうか……キオ……か……」
「……そうび……?」
いきなり草灯が立夏の首の裏側を甘噛みした。
「……つっ……痛てぇだろっ?!」
抵抗して払いのけようとした立夏を、草灯は力で押し込める。
「草灯!……んっ……くぅ……!」
再び唇を塞がれるが、今までとは草灯の雰囲気が違うことを
立夏は瞬時に理解した。
触れた唇から流れ込んでくる草灯の感情。
なぜだか怒っているように思えた。
「な、なんか怒ってんのかっ?」
「……怒ってる……それもめちゃくちゃ……」
「なんでっ?!」
「立夏……俺以外の男に、触れさせただろ?」
「え?何言ってんだよ!んなわけある訳ねぇじゃん!」
そう言いかけて、立夏はここ最近のキオとのやり取りを思い出した。
草灯とするキスとは全く意味合いが違ってはいたが、
考えようによっては、あれもキスと言うのかもしれない。
……というか、立派なキスだ。
「……あ……」
瞬間顔色を変えた立夏を見て、
草灯の怒りは益々激しさを増したかのように見えた。
「言ったでしょ?立夏は俺の全てだって……
他のヤツに触らせることは許さない」
「だって、あれはキオが勝手に……
それに、草灯だってキオといろんな事してたんだろ?
おかしいじゃん!そんなのって!
お前が怒るなら、俺だって怒っていいわけじゃん!」
「……まあ……そういうことになるか……
じゃあ、立夏……俺のことを怒ってよ……
……そして罰して……
俺が立夏のモノだって、俺にわからせてよ……」
いつにない艶っぽい瞳で見つめられ、
立夏は思わず草灯の頭を抱え込んでは、思い切り抱きしめた。
「何言ってんだよ!お前は誰が何て言ったって俺のもの。
俺だけのもの……
そして、俺もお前だけのものだかんなっ!」
「……ありがとう……立夏……」
立夏の腕に抱かれながら、草灯はゆっくりとその手を腰に廻す。
そしてズボンの中に手を忍び込ませたと思うと、
スルリと立夏の衣服を剥ぎ取った。
「わっ……ちょっ!」
「立夏の肌はスベスベだね。気持ちいい」
「お前だって同じぐらい綺麗な肌してんじゃん。
それに、俺ばっか脱がされて、ズルイよ……」
「そう?じゃあ、俺も脱げばおなじかな?」
下半身を露わにされた恥ずかしさから頬を赤らめる立夏の前で、
草灯は徐に自分の衣服を脱ぎ捨てた。
初めてみる草灯の裸は、本当に大人の身体で、
物凄く綺麗だった。
「お前、やっぱズルイよ……綺麗すぎ……カッコよすぎっ!」
「そんなことはないよ。
それを言うなら立夏だって……可愛すぎ。
理性効かなくなる……
俺はいつか立夏とこうなることを望んでいたから、
今日は我慢できそうにないよ」
草灯は立夏の胸元に手を当てると、
その綺麗な指で胸の突起を弄りだした。
立夏の身体がゾクリと震える。
胸の突起が立ち上がり、草灯の指を押し返しだすと、
今度はその唇で愛撫を加え出した。
「……っ、ぁあっ……」
既に捕らえられていた立夏の半身が、
恥ずかしいほどに素直に反応を示す。
大きくなってもそれはまだ草灯の掌にすっぽりと入る大きさだが、
これ幸いと、草灯はその立ち上がった屹立へ指を這わせた。
先端から零れた透明な蜜が草灯の手を汚していたが、
そのくちゅりという淫らな水音さえ、二人の欲情を煽るのに充分だった。
「すごいね立夏……もうこんなに濡れてる……」
「……っん……そ…び……」
恥ずかしさに顔を片手で覆い、いやいやと首を横に振るも、
それすら自分が感じていることを露呈している。
「そんなに気持ちいい?……ココ……」
「はっ……ぁっ……ん……」
わずかな刺激にさえ、立夏は素直に反応し半身をぴくつかせる。
草灯がそれを口に含むと、
ねっとりとした舌の感触がさらなる快感を与えた。
「あっ……も、……ダメかもっ……」
瞬間、立夏は草灯の頭に自分の指を絡ませ、
小さくうめき声を上げると背中を仰け反らせた。
立夏の淡い熱が草灯の口内を侵食する。
その熱をゴクリと飲み干して、草灯は顔を下肢の間に滑り込ませる。
まだ誰も触れていないだろう愛らしい蕾に舌を這わせると、
立夏はひゃっと小さな声を上げた。
「やだよっ……んなトコ、汚いよ……!」
「大丈夫……俺に任せておけばいい……」
一度達した自らの液と、草灯の唾液とで、
小さな蕾は充分な滑りを得ていた。
それを確認したところで、草灯は己の指を使ってゆっくりと立夏を蹂躙していく。
1本、2本と指の数が増えていくに従って、
立夏の締め付けも増していく。
そして、立夏が切なげに喘ぐ声にも、徐々に艶っぽさが増していた。
「あっ……そ…び……なんか、オレ……へん……」
後肛の中を指で探られるたび、背中へゾクリと寒気にも似た快楽の波が走る。
その波に飲み込まれてしまいそうになり、
立夏は必死で草灯の身体にしがみついた。
「立夏……もういいかな……?
怖くないから、ゆっくり息を吐いて……俺を受け止めてくれる?」
草灯が蜜に濡れた秘部をめがけて自分の身体を滑り込ませる。
硬く猛ったものがゆっくりと立夏の中へと侵入するたび、
立夏は背を大きく撓らせ、襲ってくる痛みと快楽の渦に耐えた。
ゆっくりと蕾のなかに全てを埋め込むと、草灯は立夏を宥める様に
背中をさすった。
そして、立夏がその圧迫感に慣れだした頃、
草灯は腰を動かし、出し入れをはじめる。
「あ……ああっ、……あ……!」
余裕ない熱い猛りに身体を貫かれ、立夏は今までにない声を上げた。
狭い部分を押し広げられ、感じる部分を草灯のもので探られると、
全身の肌がぞわぞわと波立つ。
自分の中で草灯が脈打っているのを感じると、
嬉しさと快感とで立夏自身の襞が解かれ、絡め取るように締め付ける。
其の度に草灯も低いうめき声を切なそうに吐き出した。
「立夏……すごいよ……中が熱くて絡み付いてくる……」
「……はぁっ……そ…び……ぁあっ……!」
張り詰めた先端に、一番感じる場所を抉り取られ、
立夏は涙を流しながら身体を仰け反らす。
草灯はやや弾みをつけて腰を打ちつけ、
執拗に立夏がいいと思う場所を攻め立てた。
「やぁっ……もっ……だめ……」
「……りつか……」
初めて感じる強烈な快感に、神経ごと解けていきそうだ。
ひときわ深く草灯に貫かれ、立夏は甘い声を上げて意識を手放した。
己の腹部に白濁を吐き出すと共に、自分の中で草灯の熱が迸り、
広がっていくのを感じながら……
立夏は草灯の腕の中で、
心地よい疲労感に身を委ねながら眠りに付いていた。
何よりも嬉しかったことは、
草灯が行為の間中、ずっと自分の名前を呼び、
自分だけを見つめてくれていたことだった。
愛されている実感と、自分が必要とされていることを
身をもって確認できた気がした。
不思議な充足感。
そういえばキオは草灯を抱く側だったはずだ。
俺も大人になったら、抱かれるだけでなく、
抱いてみてもいいかもな……草灯のこと……。
それでも草灯はちゃんと俺のことだけ見てくれるのだろうか?
そんなことを夢うつつの中で考えながら、
立夏は草灯の腕の中の心地よさに酔いしれていた。
これから二人を待ち受けている試練など、
このときはまだ、微塵も感じることなどないままに……
≪あとがき≫
りっちゃんと草灯の初エッチでしたっ!!(敬礼!)
ほとんどエッチシーンだけです……。
ですから内容は大したことありませんが、裏にしました;
ま、とりあえずはこんなところでしょうか??
草灯の鬼畜度が増すのは、まだまだこれからです★
最近あまり激しいエッチを書いていなかったんで、
久々に書くとやはりイマイチですかね??( ̄へ ̄|||)
せっかく裏部屋も出来たことですし、これからはどんどん鬼畜エッチ書いちゃいます♪
皆様もボチボチと期待していてくださいませね(〃⌒―⌒〃)ゞ
お付き合いくださいまして、ありがとうございました〜vv
(ブラウザの窓を閉じて戻ってください)